HOUSE NATION

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INTERVIEW

Ralph Lawson interview 2007.6.24
良質なUKのハウス・レーベルとして人気が高い2020Visionのレーベルオーナーであり、"Lovelee Dae"などの大ヒットなどでも知られる2020Soundsystemのバンドメンバー。Fat Boy Slim、Jamiroquai、Arthur Baker、Josh Wink、Felix da Housecatなどとの共同プロダクションでも有名な彼は、1991年にスタートし、イギリスの4大メジャーアウォードを独占したことさえもあるリーズのパーティーBack to Basicsの(世界で最も歴史の長いハウスパーティー)レジデントDJを15年間も続けている。

─今回で何度目の来日ですか

2回目だよ。1回目は東京と名古屋をまわった。

─日本の印象は?

すごく刺激的な場所だよね。人がとても多くてイギリスとは全然違う文化がある。すごく好きな国だよ。人々は親切だし、食べ物は美味しいし(笑)

─あなたのレーベル2020Visionのオーナーですが、自身のレーベルについて教えてください。

ベースはイギリスのリーズにあって、もう10年やっている。エレクトロニックミュージックをやっていて、ビッグネームを取って来て扱うのではなく、先見の明を持ってローカルエリアの若いアーティスト達を取上げ開発しているんだ。このやり方は難しいんだけどね。ビッグネームを取上げてやる方がずっと簡単だけど、そのやり方は今となっては長持ちしない。
この10年間、すべてリーズ出身のアーティストを10人やって、彼らは段々と名前を挙げて来ているよ。今年のフジロックにも出演するアーティストもいるし、Space Ibizaのレジデントのボビー・ペルをやっているポール・ウルフォード、彼も来日するしね。あと、アルバム”コンバージャンス”が日本でもリリースされたランダム・ファクター、日本でもビッグになりつつあるスピリット・キャッチャーもいる。レーベルのコンピレーションをP-VINEと作っていて、それが11月に日本でリリースされるんだ。だから日本でも僕のレーベルのことがもっと浸透していくと思うよ。

─あなたはバンド(2020Soundsystem)も組んでいますがバンドとDJの大きな違いは何でしょうか?

サウンドチェック(一言)
DJでもツアーの時はほとんど自由時間がないけど、バンドの時はもっとない。どこかに着いたら、すぐにサウンドチェック。クラブはDJには慣れているけどバンドには慣れてないから、何かしらサウンドチェックで問題があったり。で、5分間だけホテルに戻ったらまた出発、みたいな(笑)とにかくバンドでツアーを周るのは大変。
フェスティバルなんかは、バンドに慣れているからサウンドチェックも手際良く進む。でもバンドはとても面白いよ。DJは自分一人で、自分が出来る事って何となく限られているけど、4人も人がいて皆がいいプレイをしていれば、一人より全然パワーがある。あまり良くない時は、めちゃくちゃになったり(笑)

─どうしてDJとバンド両方やるのですか?

新しいチャレンジのためだよ。随分長いことDJをやっていたからね。自分が進化している感じがしなくなったんだ。いつも同じで、ちょっと飽きて来て、次何をしよう、って。思ったよりとてもハードなチャレンジだったなぁ。ちゃんと出来るようになるのに、すごく時間がかかる。今ちょうど4年たって、ようやく回り始めたところかな。だから次のアルバムは良い出来栄えだと思うよ。でもDJするのもいいね。リラックス出来るから(笑)

─DJとバンドでオーディエンスの違いはありますか?

最初クラブでバンドライブをした時は、ナイトクラブで何でそんな事やるの?ってオーディエンスの反応は悪かったけど、一度プレイしたら皆「いいね」って好意的な反応に変わった。だから分かってもらうのに30分はかかる。
今はもっとみんなライブに慣れてきた。特に若い人たちは、音楽が作られる過程にすごく興味を示してくれるからね。DJを始めたころは、「どこから音が出てるの?」って皆不思議がったけど、今は皆からくりを知っていて、誰も不思議に思わない。だからオーディエンスに新しいものを提示することによって、彼らはまたワクワク出来るんだよね。

─あなたのレーベル、バンド、DJセットにとってハウスミュージックとはどんな位置づけなのでしょうか?

ハウスパーティーのバイブス。
アメリカで見たものをイギリスでも再現しようと持って帰ったんだ。サウンド、ライティング、DJがプレイする長いセット…。とにかくスペシャルなもので、バイブスと皆が一ヶ所でダンスしているパーティーのムード、だよね。だけど何時しかそのエッセンスは失われてしまって。特にイギリスではシーンがあまりにも大きくなって、スーパークラブが出来て金、金、金ってなったでしょ。そうしたら若い子たちは離れて行っちゃってね。だから彼らをエレクトロニックミュージックに戻すためには、エキサイティングなことをやらなくちゃいけない。今、LCDサウンドシステム、ジェームス・マーフィーとか、ライブミュージックを取り入れている人たちが出て来ていて、面白いことをやっているでしょ。実際に仕掛けている彼らとか僕は若者ではないけど、新しい提案をする為の色々な体験をして来ている。

─今後のリリースなどのニュースがあれば聞かせてください。

常にニューリリースはあるね。Dave Leeというアーティスト名で ”Latronica”って言うトラックがある。ピークタイムの音で、この前の晩プレイしたけど、ちょっとエレクトロニックでディスコでラテンで…色んなスタイルのミクスチャー。今、Dave Spoonがリミックスしているよ。
あとは、The Sunburst Bandのアルバムの制作が一つ終わりそう。Tamarras Worldの” Trampoline”っていうトラックを昨年リリースしたけど、それはCedric Gervaisがもっとエレクトロな感じにリミックスして、もうすぐリリースされる。
“Back In The Box”というアルバムがリリースされたしね。これは初期のハウスで、DJが昔のレコードをプレイしている感じ。
それに、コンピレーションアルバム”last”を制作し始めた。これは、すべてのミクスチャー。まぁそんな感じで常に何かがあるよ。リリースに関して言えば、僕は結構忙しい人です。

─あなたはリーズに住んでいますが、リーズと東京のシーンの一番の違いは何だと感じますか?

まだ2回しか東京でプレイしていないからね。語れるほど充分に東京の事を知っているとは言えないなぁ。
街は随分違うね。リーズはもっと小さくて、穏やかでリラックスしている。学生街で、盛り上がっているクラブがあって、皆がクレイジーに騒いでいる。WOMBでの盛り上がりに似ているかな。ここはニューヨークとかにあるような、都市型のクラブだよね。
リーズにも大型クラブはあったけど、色々変わった事が出来る様にもっと小さいクラブに建て変えたんだ。

─サンデーアフタヌーンという日本ではとても新しいパーティーですが、企画やパーティーの印象を聞かせてください。

いいアイディアだと思うよ。沢山人が来ているじゃない(笑)IBIZAでは日曜が一番盛り上がるしね。女の子を捜している人、飲みたい人、ハイになりたい人とかは土曜日に盛り上がって、日曜は純粋に音楽を楽しみたい人たちが集まるよね。IBIZAでもロンドンでも日曜は、コアな音楽ファンで盛り上がっているよ。特にロンドンには数え切れないくらいサンデー・パーティーがあって、ロンドン一番のパーティと言えばシークレットサンデーだからね。

─ロンドンのサンデーパーティは何時から何時までですか?

大体昼の12時から夜の12時までだよ。

─今後のリリースなどのニュースがあれば聞かせてください。

今月ソビアでExit Festivalという大きなイベントをやるね。ベルリンでWatergate。ギリシャでシンク・フェスティバル。って東京に住む人たちにとって使える情報か分からないけど(笑)IBIZAで毎週水曜2020Vision presentsのDJセットもやるし。木曜と土曜はロンドンに行くし…、結構忙しいよ。myspaceで2020soundsystemをチェックしてくれれば、全部のってるよ。

─日本のファンに一言

コンニチハ。パーティーしてる?アリガトウ!(笑)